がんの予防はどこまで可能か(ピロリ菌退治で胃がんは防げる?)
20150926
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七飯町 がん フォーラム で会場 の方からの質問 とその答えです。

「現在、ピロリ菌が感染する生活環境とは?」

日本ヘリコバクター学会に発表されたデータによると、現在のわが国では井戸水や川の水からピロリ菌の存在が証明されなくなりました。従って、乳幼児がピロリ菌に感染する可能生は人から人へと考えられ、家族内感染がほとんどで、そのうち母親からの口うつしなどによる母子感染が約

ピロリ菌が除菌出来た場合、再感染する可能性は?

A:再感染の可能性はゼロではありませんが、ごくわずかです。その再感染源はまだ解明されていませんが、経口感染が主とされ、ピロリ菌保持者と同じコップを使用した回し飲みや、キスなどで感染すると言われています。また、感染した場合でも一過性の感染で、胃癌の原因になるような持続感染にはならないと考えられています。ただし本当に除菌に成功したとしても定期的な内視鏡検査は必要です。

かなり前に、胃内視鏡検査で胃のポリープを指摘され、その後、何回か胃内視鏡検査を受けていました。一度、出血した以外は変化無く、自覚症状も無いので放置しています。今後の対応はどうしたら良いでしょうか?

A:現在の胃の状態によって対応が異なりますので、最近検査していないのであれば、まず早めに内視鏡検査を受けて、ポリープの状態、慢性胃炎があるかどうか等を確認することが必要です。
もし慢性胃炎があればピロリ菌の検査も必要になります。ポリープの種類によっては、除菌治療で消失する場合がありますが、内視鏡的切除が必要になる場合もあります。

8年ほど前に、検診でピロリ菌陽性がわかりましたが、当時は自費でしか除菌出来ないと言われ現在に至っています。現在は、保険で治療出来る場合があるとのことですが…

2013年から医療保険が適応になり除菌できます。ただし、胃内視鏡検査をした上で再度ピロリ菌の検査を行って、現在ピロリ菌が感染していることを確認してから除菌することになります。

がん治療で免疫虜法があると聞きましたが、道南圏の病院で実施できるところがありますか?

渡島医師会の医療機関で、がん免疫療法を行っているところはありませんが、少数ですが函館市内の医療機関で行っているところがあります。但し、対象となるがんの種類、実際の治療方法、費用等は施設によって異なりますので、直接ご相談するのがよいでしょう。インターネットの検索では、「がん免疫療法」「函館」でみつかります。

アミノインデックスがんリスクスクリーニング検査」で全ての胃がんの可能性を見つけることができるのでしょうか?

アミノインデックスがんリスクスクリーニング検査は、健常では一定に保たれている血液中のアミノ酸濃度のバランスが、がん患者の場合に変化することを利用しています。健常者とがん患者のアミノ酸濃度のバランスを統計的に処理して、現在がんなっているリスクを評価するものです。現在、男性では5種類、女性では6種類のがんについて、現在がんになっているリスクを評価できるようになっています。しかしながら、あくまでもがんそのものをとらえているわけではなく、がんに伴うアミノ酸の濃度変化を評価しているものであり、検査の結果、リスクが高ければ精密検査が必要になり、リスクが低くてもがんがないということにはなりません。ただ、数種類のがんについて、血液を採るだけで、そのリスクを知ることができることは侵襲がなく、保険適応はありませんが手軽な検査といえると思います。